花粉の季節になると「またこの季節が来た」とため息をついてしまう方は多いのではないでしょうか。花粉症の症状は鼻や目だけにとどまらず、喉・皮膚・全身にまで及ぶことがあります。この記事では、花粉症の症状一覧をわかりやすくまとめ、なぜそのような症状が起こるのか、そして症状別の対処法まで詳しくご紹介します。
花粉症とは?アレルギー反応のしくみ
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が体内に侵入したときに起こるアレルギー性疾患です。花粉そのものは無害ですが、免疫システムが花粉を「敵(異物)」と誤認することで過剰な反応が起きます。
このしくみを簡単に説明すると以下のようになります。
- 感作期:初めて花粉が体内に入ると、免疫細胞がIgE抗体(免疫グロブリンE)を作り始めます
- 記憶期:IgE抗体はマスト細胞(肥満細胞)に結合して待機します
- 反応期:翌年以降、再び花粉が体内に入ると、マスト細胞からヒスタミンなどの化学物質が大量に放出されます
- 症状発現:ヒスタミンが神経や血管に作用して、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状を引き起こします
花粉症の主な症状一覧
鼻の症状
花粉症の代表的な症状のほとんどは鼻に現れます。
| 症状 | 特徴 | 重症度の目安 |
|---|---|---|
| くしゃみ | 連続して何度も出る(発作性) | 1日10回以上は中等症 |
| 鼻水 | さらさらして透明・水様性 | 常に垂れる状態は重症 |
| 鼻づまり | 両側が詰まることが多い | 口呼吸になると重症 |
| 鼻のかゆみ | むずむず感・いじりたくなる | 絶え間ない場合は治療必要 |
鼻水は風邪と異なり、透明でサラサラしているのが花粉症の特徴です。黄色や緑色の鼻水が出る場合は感染症(副鼻腔炎など)を疑う必要があります。
目の症状
目の症状は「アレルギー性結膜炎」として現れ、花粉症患者の約80%が経験するとされています。
- 目のかゆみ:花粉症の目の症状の中でもっとも多い訴え
- 充血:結膜(白目)が赤くなる
- 涙が出る:異物を洗い流そうとする防御反応
- 目がごろごろする:異物感・不快感
- まぶたの腫れ:重症例では腫れを伴うことがある
喉・口の症状
花粉が口や喉に直接付着したり、後鼻漏(鼻水が喉に落ちる)によって以下の症状が出ます。
- 喉のかゆみ・違和感
- 咳(鼻水が気管に落ちて起こる)
- 口腔アレルギー症候群:特定の果物・野菜を食べると口や喉がかゆくなる
全身症状
花粉症は局所的なアレルギーですが、慢性的な炎症反応によって全身に影響が及ぶことがあります。
- 倦怠感・だるさ:免疫反応によるエネルギー消費
- 集中力の低下:鼻づまりや睡眠の質低下が影響
- 頭痛:副鼻腔の炎症や鼻づまりによる
- 耳の閉塞感・かゆみ:耳管を通じてアレルギーが波及
- 皮膚のかゆみ・肌荒れ:花粉皮膚炎として発症することも
症状の重症度を確認しよう
花粉症の重症度は主に鼻症状で評価されます。日本アレルギー学会の基準では以下のように分類されます。
軽症:くしゃみや鼻水が1日10回未満、日常生活への支障が少ない 中等症:くしゃみや鼻水が1日10〜20回程度、集中力の低下あり 重症:くしゃみや鼻水が1日20回以上、鼻づまりがひどく睡眠障害あり 最重症:薬でも改善しない、日常生活・睡眠・学業・仕事に著しい支障
中等症以上の場合は、市販薬では対応が難しいことが多く、耳鼻咽喉科・アレルギー科での診察が推奨されます。
症状別の対処法まとめ
くしゃみ・鼻水への対処
- 抗ヒスタミン薬(市販薬)を症状が出る前から服用する「予防的投薬」が効果的
- マスクを着用し、花粉の吸入量を減らす
- 帰宅後はすぐに洗顔・うがい・着替えを行う
鼻づまりへの対処
- 鼻づまりにはヒスタミン以外のケミカルメディエーターが関与しており、抗ヒスタミン薬が効きにくい場合あり
- 点鼻薬(ステロイド系)が効果的
- ツボ押しや蒸気吸入などのセルフケアも補助的に有効
詳しくは鼻づまりの解消法の記事をご覧ください。
目のかゆみへの対処
- 冷たいタオルで目を冷やす
- 抗アレルギー点眼薬を使用する
- コンタクトレンズを外してメガネに替える
目の症状については目のかゆみ・充血の対処法で詳しく解説しています。
医療機関を受診するタイミング
以下のような場合は、ためらわず医療機関を受診しましょう。
- 市販薬を2週間以上使っても症状が改善しない
- 鼻づまりが強く、夜眠れない
- 目の充血・腫れがひどい
- 子どもに口呼吸や鼻声が続いている
- 「根本的に治したい」と考えている(舌下免疫療法の適応を確認)
薬の選び方と受診のタイミングも参考にしてください。
花粉症ラボ編集部より:この記事は医療専門家の監修のもと、最新のガイドラインに基づいて作成しています。個々の症状については必ず医療機関でご相談ください。
