花粉症といえば鼻と目の症状が有名ですが、実は喉の痛み・かゆみも花粉症患者の多くが経験する症状です。「喉が痛いから風邪かな?」と思ったら花粉症だったというケースも珍しくありません。この記事では、花粉症で喉の症状が出るメカニズムを2つの原因に分けて解説し、今すぐできる対処法と風邪との見分け方を詳しくお伝えします。
花粉症で喉が痛くなる2つの原因
原因1:後鼻漏(こうびろう)
後鼻漏とは、鼻の奥に溜まった鼻水が喉の奥に流れ落ちる現象です。健康な人でも1日に約1Lの鼻水(鼻腔分泌物)が作られ、のどに流れていますが、花粉症では分泌量が増加し、粘度も変化します。
この鼻水が喉の粘膜に触れ続けることで以下の症状が起こります:
- 喉のかゆみ・違和感:炎症成分を含む鼻水が粘膜を刺激する
- 咳(特に夜間・朝方):分泌物が気管に触れて咳反射が起きる
- 喉の痛み:継続的な刺激で粘膜が荒れる
- 声のかすれ:声帯周辺の炎症
後鼻漏は横になると悪化するため、就寝時や朝起きたときに喉の症状が強くなる傾向があります。
原因2:口腔アレルギー症候群(OAS)
口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome:OAS)は、花粉のアレルゲンと構造が似たタンパク質を持つ食べ物を摂取したときに、口や喉にアレルギー反応が起きる状態です。
これは「交差反応」と呼ばれる現象で、免疫システムが食べ物のタンパク質を花粉と誤認して反応します。
スギ花粉に関連する食べ物の例:
- トマト(主な関連食物)
- ヤマイモ
- タケノコ
ハンノキ・シラカバ花粉に関連する食べ物の例:
- リンゴ、桃、サクランボ、梨などのバラ科果物
- キウイ、メロン
- セロリ、にんじん
- 大豆(豆乳)
花粉症の喉の症状と風邪の喉の痛みの違い
| 特徴 | 花粉症(後鼻漏) | 風邪 |
|---|---|---|
| 痛みの性質 | かゆみ・イガイガ感 | 飲み込む時の鋭い痛み |
| 発熱 | ほぼない | 多くある |
| 鼻水の色 | 透明・サラサラ | 黄色・緑色になる |
| 悪化する時間帯 | 夜〜朝に多い | 常時 |
| 扁桃腺の腫れ | なし | あることが多い |
| 花粉シーズンとの関連 | シーズンに一致 | 無関係 |
喉の症状に今すぐできる対処法
うがいで喉の花粉を洗い流す
外出から帰宅したらすぐうがいをすることで、喉に付着した花粉や後鼻漏の成分を洗い流せます。
効果的なうがいの方法:
- まず「ガラガラ」と口の中(奥歯・頬の内側)をすすぐ
- 次に「ガラガラ」と喉の奥でうがいをする(15〜20秒)
- 水またはうがい薬(ポビドンヨードなど)を使う
ただし、ポビドンヨードのうがい薬の過剰使用は口腔内の常在菌を殺してしまうため、1日2〜3回程度を目安にしてください。
喉を潤す・保護する食べ物と飲み物
喉の症状が続くとき、以下の食べ物・飲み物が粘膜を保護してくれます。
おすすめ:
- はちみつ:抗炎症作用があり、喉の粘膜を保護する。ハーブティーに溶かして飲むと効果的
- しょうが湯・しょうが入りハーブティー:体を温め、血行を促進して炎症を緩和
- 温かいスープ・お粥:刺激が少なく、喉に優しい
- 大根おろし:消炎作用があるとされる伝統的な民間療法
避けた方が良いもの:
- 冷たい飲み物(粘膜を刺激する)
- アルコール(粘膜を乾燥させる)
- 刺激物(辛い物・酸っぱい物)
- 口腔アレルギーを引き起こす食べ物(個人によって異なる)
後鼻漏を減らす方法
後鼻漏による喉の症状には、根本的に鼻水の量を減らすことが重要です。
- 抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬で鼻水の分泌を抑える
- ステロイド点鼻薬で鼻腔の炎症を抑える
- 鼻うがいで鼻腔内の花粉・分泌物を直接洗い流す
- 就寝時の姿勢:頭を高くすることで後鼻漏が喉に流れにくくなる
鼻づまりの改善が後鼻漏軽減にもつながります。鼻づまり解消テクニックも参考にしてください。
口腔アレルギー症候群への対処
OASの症状が出た場合の対処法です。
- 原因となっている食べ物の摂取を中止する
- 多くは数分〜30分以内に症状が治まる
- 加熱調理することでタンパク質が変性し、反応しにくくなることが多い(リンゴも加熱すれば食べられるケースが多い)
- 皮を剥いて食べるだけで症状が軽減することもある
重篤な反応(喉の腫れ、呼吸困難、全身の蕁麻疹など)が起きた場合はエピネフリン(エピペン)の使用と救急受診が必要です。
アレルギー科・耳鼻咽喉科を受診するサイン
以下の症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。
- 喉の腫れが強く、飲み込みが困難
- 呼吸困難・息苦しさを感じる
- 声が出にくくなった(声のかすれが続く)
- 後鼻漏による咳が2週間以上続く
- 口腔アレルギーの症状が全身に広がった
特定の食品を食べるたびに喉のかゆみが出る場合は、アレルギー科・免疫療法の相談も選択肢になります。
花粉症ラボ編集部より:喉の症状は「花粉症のせい」と放置されがちですが、咽頭の炎症が慢性化したり、口腔アレルギーが悪化したりするケースもあります。症状が気になる場合は耳鼻咽喉科またはアレルギー科を受診しましょう。
