花粉症の症状の中でも、鼻づまりはとくに生活の質(QOL)を大きく損なう症状のひとつです。頭がぼんやりする、眠れない、口呼吸になってしまうなど、日常生活への影響は深刻です。しかも、鼻づまりはくしゃみや鼻水と異なり、市販の抗ヒスタミン薬が効きにくいという特徴もあります。この記事では、薬を使わずにすぐ試せる鼻づまり解消テクニックを中心に、鼻づまりが起こるしくみと薬が必要なタイミングまで詳しく解説します。
花粉症で鼻づまりが起こるしくみ
花粉症の鼻づまりは「鼻閉」とも呼ばれ、鼻の粘膜が腫れることで気道が狭くなった状態です。
アレルギー反応で放出される「ロイコトリエン」という化学物質が、鼻粘膜の血管を拡張させて浮腫(むくみ)を起こします。このロイコトリエンはヒスタミンとは異なる物質であるため、抗ヒスタミン薬では十分に効かないことがあります。
また、鼻づまりは両側が詰まることが多く、気圧の変化や横になることで悪化しやすいという特性があります。鼻づまりが続くと、睡眠の質が著しく低下し、慢性的な疲労感・集中力の低下につながります。
薬を使わない即効テクニック5選
テクニック1:ツボ押し(迎香・印堂・合谷)
東洋医学のツボ刺激は、鼻粘膜の血流を一時的に変化させ、鼻の通りを改善するとされています。
迎香(げいこう):小鼻の両脇のくぼみにあるツボ。両手の人差し指を左右の迎香に当て、3〜5秒間グッと押す。これを5〜10回繰り返す。
印堂(いんどう):眉間の中央にあるツボ。親指か人差し指で10秒程度、やや強めに押す。
合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の間の水かき部分の少し奥。もう一方の手の親指で強めに押す。鼻づまりだけでなく頭痛にも効果があるとされている。
テクニック2:蒸気吸入(スチーム法)
温かい水蒸気を吸入することで、鼻粘膜が潤い、腫れが和らいで鼻の通りが改善します。
やり方:
- 洗面器に熱いお湯を入れる(やけどに注意)
- バスタオルを頭からかぶって蒸気を逃がさないようにする
- 口を閉じて鼻からゆっくり吸って、口から吐く
- 5〜10分間続ける
ユーカリやペパーミントのアロマオイルを数滴垂らすと、スーッとする清涼感が加わり効果的だという声もあります(アロマの医学的効果は限定的です)。
シャワーを活用する:熱めのシャワーを浴びるだけでも、水蒸気の効果で鼻が通りやすくなります。
テクニック3:鼻腔拡張テープ
ドラッグストアで手軽に購入できる**鼻腔拡張テープ(ブリーズライト等)**は、鼻の外側から物理的に広げることで気道を確保する補助器具です。
- 薬不使用なので妊婦や子どもにも使いやすい
- 就寝時の口呼吸・いびき対策にも効果的
- 使い方:鼻筋の上に貼るだけ(入浴後の乾燥した肌に貼るとよく密着する)
テクニック4:就寝時の姿勢と加湿
頭を高くして寝る:枕を重ねて頭の位置を高くすると、重力で鼻粘膜の浮腫が軽減し鼻が通りやすくなります。横向きに寝る場合、下側の鼻が詰まりやすくなるため、鼻が楽な方を上にして寝ましょう。
室内を適切に加湿する:乾燥した空気は鼻粘膜を刺激して炎症を悪化させます。湿度50〜60%を目標に加湿器を使用してください。ただし、加湿しすぎるとカビやダニが繁殖する原因になるため注意が必要です。
テクニック5:体を温める・運動する
軽い有酸素運動をすると、交感神経が刺激されて鼻粘膜の血管が収縮し、一時的に鼻の通りが良くなります。
ウォームアップ方法:
- 部屋の中を5〜10分早歩きする
- スクワットを10〜20回行う
- 首や肩を回すストレッチをする
また、体全体を温める入浴も効果的です。湯船に浸かることで全身の血行が良くなり、鼻の通りが改善するとともに、副鼻腔に詰まった分泌物が流れやすくなります。
花粉シーズンの室内での運動については花粉症時期の室内運動のすすめも参考にしてください。
鼻洗浄(鼻うがい)も効果的
生理食塩水で鼻腔を直接洗浄する鼻洗浄(ハナクリーン等)は、花粉・分泌物の除去に非常に効果的なセルフケア法です。
- 正しいやり方で行えば、鼻粘膜への刺激を最小限に抑えられる
- 市販の鼻洗浄器具を使うと簡単に実践できる
- 生理食塩水(0.9%の食塩水)を自作する場合は500mlの水に約4.5gの塩を溶かす
詳しいやり方は鼻洗浄の正しい方法と効果をご覧ください。
薬による治療が必要なタイミング
セルフケアで改善しない場合、医療機関での処方薬が有効です。
処方される主な薬:
- ステロイド点鼻薬:鼻づまりに最も効果が高いとされる。局所作用のため全身への影響は少ない
- 抗ロイコトリエン薬:鼻づまりの主な原因物質をブロック。就寝前服用が一般的
- 抗ヒスタミン薬(第2世代):くしゃみ・鼻水との合併症状に対して処方
以下のような場合は医療機関を受診しましょう。
- 鼻づまりが2週間以上続いている
- 夜間の鼻づまりで眠れない日が続いている
- 口呼吸が習慣になってきた
- 子どもで口を開けた睡眠が続いている
市販薬と処方薬の違い・受診ガイドもあわせてご覧ください。
花粉症ラボ編集部より:鼻づまりは「たかが鼻」と思いがちですが、睡眠の質や集中力、さらには成長期の子どもの顔貌(顔のつくり)にまで影響することがあります。改善しない場合は早めの受診をおすすめします。

