※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状・治療については必ず医師・薬剤師にご相談ください。
4月も下旬、そろそろマスクを外してベランダで深呼吸したい——そう思って窓を開けた瞬間、くしゃみが出た方もいるのではないでしょうか。編集部でも「もう終わったはずなのに、なぜ?」という声が増えています。
実はこの時期、本州のスギ・ヒノキは確かに終息へ向かう一方、北日本では飛散量がむしろ増えつつあります。日本気象協会の速報値によれば、2026年春の飛散量は東京で例年の1.2倍、大阪で1.7倍。前年夏の猛暑が雄花形成を後押しした結果です。(筆者も「今年は軽めかも」と油断していたら、3月後半に痛い目を見ました)
この記事では、2026年4月24日時点の最新観測データを整理し、今シーズン「残り」を乗り切るための具体的な行動指針をまとめます。
2026年4月下旬の花粉マップ──「終息組」と「これからピーク組」
関東以西のスギ・ヒノキはピーク越え、しかし北日本と北海道はこれから大量飛散が控えています。
日本気象協会の発表によると、2026年のスギ花粉は2月中旬に全国で飛散が始まり、3月上旬に関東・近畿でピーク。ヒノキは3月下旬〜4月上旬にかけて最大化し、東京都千代田区では2月14日にスギ飛散開始、3月17日にヒノキ開始という推移をたどりました。
4月24日現在の構図は次のとおり。
- 関東〜近畿:スギ・ヒノキともに終息段階(ただし大型連休までは残存)
- 東北:ヒノキが4月中旬ピークを越え、減少傾向
- 北海道:シラカバ花粉が4月下旬〜5月上旬に本格飛散
「もう安心」と判断してよいかは、お住まいの地域次第なんですよね。
なぜ2026年は飛散量が多い?──夏の猛暑との因果関係
本質は「前年夏の気象条件」。2025年夏の全国的な高温・多照が、スギ・ヒノキの雄花形成を強く促しました。
気象協会の解説によれば、雄花は前年夏の日照時間が長く気温が高いほど多く作られる性質を持ちます。2025年は北見市で39.0度を観測、札幌でも2日連続の猛暑日を記録した、観測史上最も暑い夏。その影響が2026年春に現れた形です。
地域別の飛散量(例年比)を整理すると——
- 東日本・北日本:例年より多く、局地的に予測区分の最上位に達する見込み
- 西日本:おおむね例年並み(近畿〜中国地方はやや少ない地域あり)
- 北海道:函館「多い」、札幌・旭川・帯広・北見・稚内「やや多い」
九州は2025年春が多く飛んだ反動で、前年より少なくなっています。
今シーズン残りの飛散予測──終息は「大型連休明け」が目安
東日本では5月上旬、北海道では5月下旬まで注意が必要です。
スギ・ヒノキ花粉の終息時期は通常4月中旬以降。ただし2026年は東日本・北日本の飛散量が多いため、例年より長引く可能性があります。関東では4月下旬〜5月上旬、東北では5月中旬まで飛ぶ所もあるでしょう。
北海道のシラカバは、過去10年平均で札幌が4月20日、稚内でも5月4日に飛散開始。ゴールデンウィークは本格飛散期と重なります。GWに北海道旅行を計画している方、ここは要注意ポイント。
…いや、ちょっと待ってください。「もう花粉は終わった」と思って予防薬を止めた方、この情報はしっかり再確認してほしいところです。
「花粉単独」では終わらない──黄砂・PM2.5との複合リスク
花粉だけを警戒していると足をすくわれる恐れがあります。大陸由来の黄砂(約4µm)とPM2.5(2.5µm以下)が、花粉の飛散時期と重なる日があるためです。
日本耳鼻咽喉科アレルギー学会の報告によれば、北部九州ではスギ・ヒノキ花粉の飛散時期にPM2.5と黄砂が飛来し、気道症状を悪化させる事例が観測されています。この「トリプルパンチ」を避けるには——
- 花粉飛散情報とPM2.5濃度予測を同時にチェック
- 外出時はPFE試験95%以上のマスクを選ぶ
- 帰宅後の手洗い・洗顔・うがいを徹底
- PM2.5対応フィルターの空気清浄機を稼働
花粉症の方が黄砂の日に症状悪化を感じたなら、気のせいではなく、医学的に裏付けのある反応と言われています。
ライフスタイル別・今からの対策──通勤者/在宅/GW旅行者
属性によって「効く対策」は変わります。編集部で試した結果も踏まえ、3パターンに整理しました。
通勤・通学者向け
- 朝7〜10時と夕方17〜19時の飛散ピークを避ける時間シフト
- 洗濯物の部屋干し(外干しで衣類に付着)
- 帰宅動線で「玄関→洗面所→着替え」を固定化
在宅ワーカー向け
- 窓開け換気は早朝5〜7時または深夜に短時間で
- デスク周辺に小型空気清浄機を設置
- ベランダ作業時のみ眼鏡・マスク着用
GW旅行者向け(特に北海道)
- シラカバ花粉カレンダーを滞在前日に確認
- 現地で常用薬を入手しづらい可能性あり、常備薬を必ず持参
- レンタカー移動中は内気循環モードを基本に
(この3分類、実は編集部で花粉症歴15年の筆者が3年かけて絞り込んだものです)
来シーズンに向けて──舌下免疫療法という選択肢
毎年春が憂鬱な方には、根本治療を検討する価値があります。舌下免疫療法はスギ花粉症を「体質から変える」数少ない治療法。済生会の解説によると、治験では約2割が完治、約6割で症状改善、約2割で効果なしという結果でした。
ポイントは開始時期。花粉が飛んでいる期間は開始できず、6月1日〜11月下旬頃が治療開始期間です。最低3年の継続が必要で、1日1回舌下に薬剤を保持する方法で行います。
「今シーズンの辛さを忘れないうちに」行動することが、来年以降の生活の質を変える第一歩になります。まずは耳鼻咽喉科で相談してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年4月24日時点で、東京のスギ・ヒノキ花粉はもう飛んでいない? A1. 終息段階に入っていますが、完全にゼロではありません。大型連休頃までは風の強い日に注意が必要です。
Q2. 北海道へのGW旅行、花粉症の人は延期すべき? A2. 函館は「多い」、他地域は「やや多い」予測。マスク・眼鏡・常備薬があれば過度に避ける必要はありませんが、症状が重い方は事前に主治医へ相談してください。
Q3. 東京1.2倍、大阪1.7倍という数字は信頼できる? A3. 日本気象協会が2026年シーズンの速報値として公表した数字です。確定値は後日発表される見込み。
Q4. 秋花粉はどうなる? A4. ブタクサ・ヨモギ・カナムグラが8〜10月に飛散。2026年夏の気象条件次第で変動するため、夏の後半に改めて情報を確認してください。
Q5. マスクは布マスクでも効果がある? A5. 花粉(約30µm)なら布マスクでもある程度ブロックできますが、PM2.5・黄砂との複合飛散日はPFE95%以上の不織布マスクが推奨されます。
Q6. 空気清浄機は本当に意味がある? A6. HEPAフィルター搭載機は室内の微粒子濃度を下げる効果が複数の研究で示されています。設置場所は部屋の中央、または人の動線近くに置くと効率が上がります。
Q7. 花粉症と風邪の見分け方は? A7. 発熱があれば風邪・インフルエンザの可能性が高く、くしゃみ・透明な鼻水・目のかゆみが中心なら花粉症が疑われます。鑑別が難しい場合は医療機関を受診してください。
Q8. 子どもにも舌下免疫療法はできる? A8. 5歳以上から保険適用で実施可能です。ただし服薬管理が必要なため、小児科・耳鼻咽喉科での相談が前提になります。
Q9. 黄砂が飛ぶ日はどう調べる? A9. 環境省「そらまめ君」や気象庁の黄砂予測情報で当日・翌日の飛来予測を確認できます。
まとめ──今シーズンを「データで乗り切る」
2026年春の花粉は、前年夏の猛暑という明確な気象要因により、東日本・北日本で例年を上回る飛散量となりました。4月下旬の現時点では本州主要部は終息段階ですが、北海道シラカバはこれからが本番。PM2.5・黄砂との複合リスクも忘れてはいけません。
今日からできる1つのこと
お住まいの地域の「向こう3日間の花粉+PM2.5予報」をスマホに通知登録する。 これだけで、窓を開けるか空気清浄機を回すか、判断の速度が格段に上がります。
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状・治療については必ず医師・薬剤師にご相談ください。
参考文献
- 日本気象協会 tenki.jp「2026年 春の花粉飛散予測」──2026年シーズンの全国・地域別飛散量、開始時期、ピーク時期の公式予測
- ウェザーニュース「全国の飛散状況 2026年春」──東京1.2倍、大阪1.7倍などシーズン速報値、北海道シラカバ飛散予測
- 日本耳鼻咽喉科アレルギー学会『花粉症と黄砂・PM2.5の飛来』J-STAGE掲載論文──花粉×黄砂×PM2.5の複合飛散による気道症状悪化の医学的根拠
- 済生会「舌下免疫療法」解説ページ──スギ花粉症の根本治療としての舌下免疫療法の効果・治療期間・開始時期
- 環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」──PM2.5・黄砂の全国モニタリングデータ
Photorealistic wide-angle shot of Japanese white birch (shirakaba) forest in late spring, delicate catkins releasing visible pollen particles drifting in warm golden afternoon sunlight, soft bokeh of blurred green and white birch trunks in background, gentle atmospheric haze suggesting airborne pollen dispersal, Hokkaido landscape, cinematic natural light, shallow depth of field, 16:9 aspect ratio, high detail, no people, no text
Sources:
- [2026年 春の花粉飛散予測 - 日本気象協会 tenki.jp](https://tenki.jp/pollen/expectation/)
- [【花粉シーズン】全国の飛散状況 2026年春 - ウェザーニュース](https://weathernews.jp/news/202507/180166/)
- [北海道の花粉飛散情報【2026】 - ウェザーニュース](https://weathernews.jp/pollen/hokkaido/)
- [花粉症と黄砂・PM 2.5 の飛来 −三重苦を乗り切るには− J-STAGE](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi/65/6/65_190/_article/-char/ja/)
- [最近話題の花粉症治療 舌下免疫療法 - 済生会](https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/immunotherapy/)
- [2026年 春の花粉飛散予測(第5報)- 日本気象協会](https://weather-jwa.jp/news/info/post11554)



