「スギ花粉が終わったはずなのに、まだ鼻水やくしゃみが続いている……」そんな経験はありませんか?その原因はヒノキ花粉かもしれません。スギ花粉症の陰に隠れがちなヒノキ花粉症ですが、患者数はスギに次いで2位。スギ花粉シーズンの後に直撃するため、症状が長引く原因となっています。
ヒノキ花粉の飛散時期:スギの後を追う「第二波」
ヒノキ花粉はスギ花粉とほぼ重なるように飛散が始まり、スギのピークが過ぎた後に本格化します。地域ごとの目安は以下のとおりです。
| 地域 | 飛散開始時期 | ピーク時期 | 飛散終了目安 |
|---|---|---|---|
| 九州・四国 | 2月下旬〜3月上旬 | 3月中旬〜4月上旬 | 4月下旬 |
| 近畿・中国 | 3月上旬〜中旬 | 3月下旬〜4月中旬 | 5月上旬 |
| 東海・関東 | 3月中旬〜下旬 | 4月上旬〜中旬 | 5月上旬〜中旬 |
| 東北 | 4月上旬〜中旬 | 4月中旬〜下旬 | 5月下旬 |
スギとヒノキを合わせると、関東以西では2月から5月の約3〜4ヶ月間、何らかの花粉が飛散し続けることになります。スギ・ヒノキ両方に感作されている方にとっては、この期間全体が「花粉症シーズン」となります。
スギ花粉とヒノキ花粉の違い
スギとヒノキはどちらも日本で最も多く植林された樹木ですが、植物学的には異なる種です。アレルギー反応においていくつかの違いがあります。
| 比較項目 | スギ花粉 | ヒノキ花粉 |
|---|---|---|
| 飛散ピーク | 2〜3月(地域による) | 3〜5月(地域による) |
| 花粉の大きさ | 約30〜40μm | 約25〜30μm(若干小さい) |
| 主な分布 | 全国(北海道除く) | 関東以西に多い |
| 飛散距離 | 数十〜数百km | 数十〜数百km |
| 植林面積 | 約440万ha(国内最大) | 約260万ha(2位) |
スギとヒノキの交差反応:なぜ両方に反応するのか
スギ花粉症の患者の約70%がヒノキ花粉にも反応するとされています。これは「交差反応(クロスリアクティビティ)」と呼ばれる現象です。
スギのアレルゲンタンパク質(Cry j 1、Cry j 2)とヒノキのアレルゲンタンパク質(Cha o 1、Cha o 2)は、分子構造が非常に似ています。そのため、スギに対して形成された抗体(IgE)がヒノキのタンパク質にも反応してしまうのです。
自分がヒノキにも感作されているかを確認するには?
- 3月下旬以降もくしゃみ・鼻水・目のかゆみが続く場合は要注意
- アレルギー科または耳鼻科での血液検査(特異的IgE抗体検査)で確認できます
- スギとヒノキを個別に検査してもらいましょう
スギ・ヒノキ複合型:長期戦に備える対策
スギ・ヒノキ両方に感作されている場合、花粉症の期間が2月から5月と非常に長くなります。この長期戦を乗り越えるためのポイントを整理します。
薬物療法の継続
スギ花粉が終わっても、ヒノキが続く限り投薬を継続することが重要です。自己判断で薬をやめると、ヒノキ花粉のピーク時に対処が遅れることがあります。処方薬の種類と選び方を参考にしてください。
室内対策の徹底
4〜5月は気温が上がり窓を開けたくなる季節ですが、室内の花粉対策として空気清浄機を積極的に活用しましょう。換気は花粉飛散量が少ない時間帯(雨後・早朝・夜間)に短時間で行うのがポイントです。
洗濯物・寝具の管理
ヒノキシーズンの4〜5月も、洗濯物の外干しには注意が必要です。洗濯物の花粉対策と寝具への花粉対策も合わせて実践することで、室内への花粉持ち込みを最小限に抑えられます。
ヒノキ花粉シーズンの特有の注意点
ヒノキ花粉シーズン(3〜5月)はスギシーズンと異なるいくつかの特徴があります。
- 黄砂との重なり:3〜4月は黄砂の飛来が多い時期でもあります。花粉とPM2.5・黄砂の複合影響を確認し、複合汚染が予測される日は特に外出を控えましょう。
- 衣替えの注意:4月の衣替えで収納していた衣類を取り出す際、保管中に付着した花粉が室内に舞い上がることがあります。衣類を取り出す前に軽くはらうか、洗濯してから使用することをおすすめします。
- 春のイベントシーズン:花見や新入学・新入社など屋外行事が増える時期と重なります。マスクの正しい選び方と着用方法を活用して屋外での対策を万全にしてください。
ヒノキ花粉症はスギ花粉症の延長として見過ごされがちですが、適切に対策することで症状をコントロールできます。スギが終わったからといって油断せず、5月まで継続した対策を心がけましょう。

