※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状・治療については必ず医師・薬剤師にご相談ください。


今週末、お花見に出かけた瞬間、目がかゆくなって鼻水が止まらなくなった——筆者も先週末まさにこれでした。「もうスギ花粉は終わりかけのはずなのに、なぜ?」と首をかしげた方、答えはシンプルです。今まさにヒノキ花粉が本番を迎えつつあります。

2026年春の花粉シーズンは、スギとヒノキが入れ替わる「二段波」が特徴です。さらに、東北・北陸の方は例年以上の警戒が必要な年となっています。平年比150%超の地域が続出し、秋田県では前年比600%超という報告もあるほどです。

この記事では、3月22日時点の最新飛散情報から、飛散レベル別の行動フロー、治療の見直しポイントまで一気に解説します。


【最新情報】スギはピーク越え、ヒノキが3月下旬〜4月に本番へ

3月22日現在、スギ花粉は西日本〜関東でピークを過ぎ減少中。ヒノキ花粉は全国で飛散が拡大し、3月下旬〜4月上旬に広域ピークを迎えます。

日本気象協会(tenki.jp)の気象予報士コラム(2026年3月18〜19日更新)によると、現状と見通しは以下の通りです。

地域スギ花粉の状況(3/22時点)ヒノキ花粉の見通し
九州・中国・近畿ピーク終了・減少中飛散開始・増加中
東海・関東3月中旬でほぼピーク終了飛散開始済み
東北現在もピーク継続(3月末まで)まもなく飛散開始
北陸ピーク終了から減少へ増加中

スギ・ヒノキ合計の飛散終息は4月中旬以降が見込まれており、ゴールデンウィーク前後まで一部地域では花粉が残る予測です。

今シーズンのもう一つの特徴は「飛散ペースの速さ」。東京多摩地区では、3月上旬の時点で年間予測総量の約50%がすでに飛散済みというデータも出ています。折り返しは過ぎたものの、ヒノキのピークという「後半戦」がこれから始まります。


なぜ東北・北陸で「平年比150%超」が起きているのか

2025年夏の異常高温と「裏年」からの反動が重なり、東北・北陸では記録的な大量飛散が生じています。

原因①:2025年夏の猛暑

スギ・ヒノキの雄花(翌年飛ぶ花粉の素)は、前年の夏に形成されます。2025年夏は全国的に高温・多日照が続き、雄花が豊富に実りました。「暑い夏の翌年は花粉が多い」という法則が、2026年にそのまま当てはまっています。

原因②:「裏年」明けの反動

スギ花粉の飛散量には「豊作年と不作年が交互に現れる隔年変動」の傾向があります。2025年は東日本・北日本でスギ花粉が少ない「裏年」だったため、2026年はその反動で大幅増加しています。秋田県では前年比600%超という報告があり、「昨年は全然平気だったのに今年は辛い」という方が急増しています。

一方、2025年に記録的大量飛散だった九州北部では今年は前年比約50%と大幅減。地域ごとの差が極めて大きいのが2026年シーズンの最大の特徴です。


飛散レベル別「その日に何をすべきか」行動フロー

飛散量に合わせて行動を変えることが、症状悪化を防ぐ最も効果的な方法です。毎朝アプリで確認し、以下を判断基準にしてください。

◎「少ない」日

  • 軽症の方はマスクなしでも外出可
  • 洗濯物の外干しOK(乾いたらすぐ取り込む)
  • 短時間の窓開け換気も可

△「中程度」の日

  • 不織布マスクを正しく装着(花粉を約70%カット)
  • 目の症状がある方は花粉対応ラップアラウンド型メガネを着用
  • 帰宅後すぐに手洗い・洗顔・うがい

✕「多い〜非常に多い」日

  • 外出を短時間に抑え、正午前後(12〜15時)と日没後の外出は特に控える
  • 外出先では服に花粉をできるだけ付着させない(ポリエステル・ナイロン素材を選択)
  • コートは玄関外で払い落としてから入室
  • 洗濯物は室内干し一択
  • 空気清浄機はフル稼働・フィルターをこまめに確認

外出するなら朝8時前か16〜17時台が比較的安全です。


「薬が効かない」と感じたら:症状別・重症度別の対処法

2026年は飛散量急増により「いつもの市販薬が効かない」という声が増えています。飛散量が多い年は対処法のアップデートが必要です。

【軽症】市販薬で対応できている場合

飲み忘れが最大の敵です。症状が出てから飲むのではなく、「初期療法」として飛散期間中は毎日決まった時間に継続服用することで、ピーク時の症状を抑えやすくなります。服用のタイミングは就寝前か朝食後に固定しましょう。

【中等症】市販薬だけでは不十分な場合

耳鼻科・アレルギー科への受診を検討してください。処方薬では、第2世代抗ヒスタミン薬とステロイド点鼻薬の組み合わせが一般的で、強い鼻づまりにも対応できます。市販薬より種類と強度の選択肢が大きく広がります。

【重症・毎年つらい】根本治療を考える場合

舌下免疫療法(保険適用あり)の検討価値があります。スギ花粉を少量ずつ体内に取り入れ、アレルギー反応を体に慣れさせていく治療法で、治験では8割の患者で症状改善が確認されています(完治:約20%・症状改善:約60%・効果なし:約20%)。今シーズンは中に始められませんが、花粉シーズン終了後の5〜12月が開始適期です。


お花見・外出予定がある方へ:2〜3時間を乗り切る5つのポイント

桜の開花と花粉のピークが重なる3月下旬〜4月。せっかくの外出を楽しむために押さえておきたいことを整理しました。

  1. 服装:ツルツルした素材(ポリエステル・ナイロン)を選ぶ。ウール地は花粉が付着しやすいため避ける
  2. マスク:JIS規格の不織布マスクを正しく装着。横の隙間から花粉が入らないようにフィットさせる(花粉症用マスクは約84%の花粉カット効果)
  3. メガネ:通常のメガネでも目への花粉付着量を減らせる。花粉防止ラップアラウンドタイプが最も効果的
  4. 帰宅後:玄関外で衣類をよく払い、シャワーを浴びる。頭髪に特に多くの花粉が付着している
  5. 外出中の飲食:大量飛散日はマスクを外す時間を最小限に。食事は風上側で

スギ・ヒノキが終わっても続く:2026年 通年花粉カレンダー

「5月以降も症状が続く」方は、別の花粉が原因かもしれません。年間を通じた飛散パターンを知ることが通年管理の第一歩です。

時期主な花粉特に注意する場所
2〜3月スギ山林周辺・都市部全般
3〜5月ヒノキ西日本・関東以西
5〜8月イネ科(カモガヤ・オオアワガエリ)河川敷・公園・田畑
8〜10月ブタクサ・ヨモギ河川敷・空き地
9〜11月セイタカアワダチソウ郊外・河川沿い
通年ハウスダスト・ダニ室内全般

スギ・ヒノキが終わった後も症状が続く場合、イネ科やブタクサなど別のアレルゲンが関与している可能性があります。血液検査(特異的IgE検査)で原因を絞り込むと、季節ごとの対策が明確になります。


まとめ:2026年春シーズン後半を乗り切る3つの優先事項

  • ヒノキの波に備える:3月下旬〜4月上旬が山場。スギが落ち着いても油断禁物
  • 東北・北陸在住の方は特別警戒:平年比150%超エリアでは、例年以上の対策強度が必要
  • 治療を見直す絶好のタイミング:市販薬で不十分なら今すぐ医療機関へ。来シーズンに向けた舌下免疫療法の相談はシーズン後5月以降に

4月中旬にはようやく飛散が落ち着いてきます。あと3〜4週間、地道に対策を続けることが最も重要です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年のスギ花粉は東京ではもう終わりですか?

A. 関東・東海では3月中旬にほぼピークを終え、減少中です。ただし、ヒノキ花粉が飛散開始していますので、花粉症の症状が続く方は引き続き対策が必要です。

Q2. ヒノキ花粉のピークはいつですか?

A. 西日本では3月下旬、関東・東海では4月上旬にピークを迎える見通しです。ピーク期間は5日〜2週間程度と予測されています。

Q3. スギ花粉とヒノキ花粉の症状の違いは?

A. 基本症状(くしゃみ・鼻水・目のかゆみ)は共通しています。ヒノキ花粉はのどのイガイガ感・かゆみが出やすいという報告があります。スギとヒノキのアレルギーを両方持っている人も多く、症状だけでの判別は困難です。

Q4. 秋田県「前年比600%超」は本当ですか?

A. 日本気象協会の飛散予測データとして報告されています。2025年が東北で少なかった反動と、2025年夏の高温多照が重なった結果です。実際の観測値はシーズン中に更新されます。

Q5. 花粉情報はどこで確認するのが最も信頼できますか?

A. 日本気象協会(tenki.jp)やウェザーニュースが毎日更新しており、地域別の詳細データが確認できます。スマートフォンのアプリで「花粉情報の朝通知」をオンにしておくと便利です。

Q6. 不織布マスクと花粉症専用マスクはどちらが効果的ですか?

A. 実験では、通常の不織布マスクで約70%、花粉症専用マスクで約84%の花粉カット効果が報告されています。どちらを選ぶにしても、顔に密着させて横の隙間を作らないことが最重要です。

Q7. 花粉症で頭痛や倦怠感が出るのはなぜですか?

A. 鼻づまりによる睡眠の質低下と酸素不足、アレルギー反応に伴う炎症性物質の影響などが複合的に作用しています。「鼻がつまって寝つけない」が続くなら、医師に相談してください。

Q8. 市販薬と処方薬の最大の違いは何ですか?

A. 処方薬では医師が症状の種類と重症度に合わせて薬を選んでくれます。たとえば、鼻づまりが強い場合はステロイド点鼻薬を追加するなど、複合対応が可能です。市販薬で効果不十分なら、処方薬に切り替えることで改善するケースが多くあります。

Q9. 舌下免疫療法はいつから始めればよいですか?

A. スギ花粉症の舌下免疫療法は、花粉が飛んでいない時期(5〜12月)に開始するのが適切です。今シーズンのスギ・ヒノキが終息した5月以降に耳鼻科・アレルギー科に相談してみましょう。

Q10. 子どもが花粉症かもしれません。何歳から治療できますか?

A. 舌下免疫療法は5歳以上から保険適用で受けられます。抗ヒスタミン薬などの薬物療法は年齢・体重に応じた処方があります。「目をよくこする」「鼻をしきりにすする」が続く場合は、小児科やアレルギー科に相談を。


今日からできる1つのこと

**帰宅後、玄関の外で上着を2〜3回よく払い、そのまま玄関内に入る。**たった10秒のこの習慣が、室内への花粉持ち込みを大幅に減らします。あわせて、天気アプリの花粉情報通知を今夜中にオンにしてください。明日の朝から、飛散量を確認してからマスクをするかどうか判断できます。ヒノキのピーク本番を前に、今日1つだけ変えれば十分です。


参考文献

  • 日本気象協会 tenki.jp「最新の花粉飛散予測 スギ花粉は間もなく大量飛散終息へ ヒノキ花粉は4月上旬ピーク」(気象予報士 田中 正史、2026年3月19日)
  • 日本気象協会 tenki.jp「東北や関東、東海はスギ花粉のピーク続く 近畿〜九州はまもなくヒノキ花粉のピークか」(気象予報士 岡本 朋子、2026年3月18日)
  • 日本気象協会 tenki.jp「花粉の大量飛散が続く 3月下旬にはヒノキ花粉がピーク入りへ」(気象予報士 青山 亜紀子、2026年3月17日)
  • 日本気象協会「2026年 春の花粉飛散予測(第4報)」(2026年2月)
  • 日本気象協会「2026年 春の花粉飛散予測(第2報)〜東日本・北日本では例年より飛散量が多い〜」(2025年12月)
  • リセマム「花粉飛散量は平年比128%、2026年は北日本で大幅増加の予想」(2026年1月)
  • Yahoo!ニュース(オリコン)「いつもの薬が効かない 2026年花粉症の異変、飛散量急増で処方のアップデートが急務」(2026年3月)
  • 医療法人社団エムズ プレスリリース「2026年の花粉症は東日本・北日本で要注意!対策は1ヶ月前が鍵」
Close-up of Japanese cedar and cypress tree branches releasing pollen clouds in soft spring sunlight, golden hour lighting, visible yellowish pollen particles floating in air, shallow depth of field with blurred forest background, photorealistic 16:9 wide composition, warm amber tones, no people, natural Japanese woodland atmosphere, ultra-detailed pollen particles catching light beams