花粉症の目薬の選び方|市販薬と処方薬の違いを徹底解説
薬・クリニック

花粉症の目薬の選び方|市販薬と処方薬の違いを徹底解説

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花粉の季節になると、目のかゆみ・充血・ゴロゴロ感に悩む方が増えます。この症状は「アレルギー性結膜炎」と呼ばれ、花粉症の代表的な目の症状です。対策として目薬(点眼薬)が効果的ですが、種類が多くて選び方に迷う方も多いでしょう。

この記事では、花粉症の目薬の種類・選び方・正しい使い方を、市販薬と処方薬の違いを含めて詳しく解説します。


花粉症の目薬の主な種類

アレルギー性結膜炎に対応する目薬は大きく3種類に分けられます。

1. 抗ヒスタミン点眼薬

ヒスタミン受容体をブロックすることで、目のかゆみ・充血を素早く緩和します。即効性が高く、点眼後すぐに症状が和らぐのが特徴です。症状が出てから使う「対症療法」として優れています。

市販品の代表例:

  • ケトチフェンフマル酸塩(ザジテンAL点眼薬):H1受容体拮抗作用+肥満細胞安定作用
  • クロモグリク酸ナトリウム+ジフェンヒドラミン(エージーアイズアレルカットMなど):複合タイプ

処方品の代表例:

  • オロパタジン(パタノール点眼液):強い抗ヒスタミン作用と抗アレルギー作用を兼ね備える

2. 肥満細胞安定薬(抗アレルギー点眼薬)

肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンなどが放出されるのを事前に抑えます。予防効果が高く、花粉シーズン前から使い始める「初期療法」に向いています。効果発現に数週間かかることがあるため、症状が出てから始めても即効性は期待できません。

代表的な成分:

  • クロモグリク酸ナトリウム(クロモグリク酸Na点眼液など):花粉シーズン2〜4週間前からの使用が推奨
  • ペミロラストカリウム:抗アレルギー作用が強い

3. ステロイド点眼薬(処方のみ)

強力な抗炎症作用で、重症のアレルギー性結膜炎に用いられます。市販では販売されておらず、必ず眼科での処方が必要です。

代表的な薬:

  • フルオロメトロン(フルメトロン点眼液):角膜への影響が少ない
  • ベタメタゾン(リンデロン点眼液):強力な抗炎症作用
注意
ステロイド点眼薬を自己判断で長期使用すると、眼圧上昇・白内障・角膜感染症などの深刻な副作用が起こる可能性があります。必ず眼科医の指示に従って使用し、定期的に眼圧チェックを受けてください。

市販薬と処方薬の違い

比較項目市販目薬処方目薬
入手方法ドラッグストアで購入眼科・内科受診が必要
成分の選択肢限定的(マイルドな成分が多い)豊富(高濃度ステロイドなども)
費用1本500〜2,000円保険適用で安くなることも
対応できる重症度軽症〜中等症向き軽症〜重症まで対応
ステロイドなし(市販には含まれない)あり(処方専用)

目の症状が軽度から中等度であれば市販の抗アレルギー点眼薬で対応できることが多いですが、強いかゆみ・充血が続く場合や、視力に影響が出る場合は眼科受診をお勧めします。


正しい目薬の点眼方法

せっかく目薬を使っても、方法が間違っていると効果が半減します。以下の手順を参考にしてください。

  1. 手を石けんでよく洗う。清潔な手で扱うことが大前提です。
  2. 容器の先端に触れないようにしながらキャップを開ける。
  3. 上を向き、下まぶたを軽く引き下げて結膜嚢(目の白目と下まぶたの間のくぼみ)に1滴落とす。
  4. 目を閉じて1〜2分静かにしている(まばたきすると薬が流れ出てしまう)。
  5. 目頭を軽く押さえると涙管への流出を防ぎ、成分が目に留まりやすくなる。
  6. あふれた液は清潔なティッシュで優しく拭く。
注意
点眼薬は1回1〜2滴で十分です。多く点眼しても吸収量は増えず、むしろ薬液が目の外に流れてしまいます。使用回数は必ず用法・用量を守ってください。

コンタクトレンズ使用者への注意

コンタクトレンズを使っている方は、目薬の使い方に注意が必要です。

防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)入りの目薬は、ソフトコンタクトレンズに吸着して角膜障害を引き起こす可能性があります。多くの市販アレルギー目薬はこの防腐剤を含んでいるため、コンタクトを外してから点眼し、最低15分(できれば30分)後に再装着するのが原則です。

コンタクト装着中でも使えるタイプ:

  • **防腐剤不使用(ベンザルコニウム塩化物フリー)**の製品
  • **使い切りタイプ(ミニボトル)**のほとんどは防腐剤不使用

購入前にパッケージの表示を確認するか、薬剤師に確認しましょう。


防腐剤フリーの目薬という選択肢

防腐剤フリーの点眼薬は、コンタクトレンズ使用者や目が敏感な方に適しています。主に1回使い切りのアンプルタイプや、防腐剤不使用の専用容器に入ったものがあります。開封後の衛生管理が不要で、長期使用での刺激も少ないため、敏感な方には選択肢のひとつとなります。


こんな症状は眼科受診を

目薬を使っても以下の症状が続く・悪化する場合は、眼科への受診をお勧めします。

  • 目薬を使っても改善しないかゆみ・充血が2週間以上続く
  • 目やに(分泌物)が多い・黄色っぽい
  • 視力が低下している・ぼやけて見える
  • 目の痛みが強い
  • 角膜(黒目)が白く濁って見える

目のアレルギー症状は「春季カタル」と呼ばれる重症型に発展することもあり、放置すると角膜に傷がつく場合があります。病院に行くタイミングの記事も合わせて参考にしてください。


まとめ

花粉症の目薬は、症状の程度と目的(予防か対症か)によって選ぶべき種類が異なります。

  • すでに出ている目のかゆみ・充血を素早く抑えたい → 抗ヒスタミン点眼薬
  • 花粉シーズン前から予防的に使いたい → 肥満細胞安定薬
  • 重症で市販薬では足りない → 眼科受診してステロイド点眼薬を処方してもらう

目薬と合わせて、花粉症専用ゴーグル・メガネで目への花粉の侵入を防ぐ対策も効果的です。また、飲み薬との市販薬おすすめ比較も参考にして、トータルで症状をコントロールしましょう。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。目の症状が気になる場合は眼科専門医に相談することをお勧めします。

よくある質問

コンタクトレンズを着けたまま目薬を使ってもいいですか?

市販のアレルギー用目薬の多くは「ソフトコンタクトレンズ装着中の点眼には使用しないこと」と記載されています。防腐剤として使われるベンザルコニウム塩化物がレンズに吸着するためです。コンタクトレンズを外してから点眼し、15〜30分後に再装着するのが基本です。コンタクト使用者向けには防腐剤不使用の点眼薬もありますので、薬剤師に相談してください。

市販の目薬と処方の目薬では何が違いますか?

成分の濃度や種類に違いがあります。市販薬は比較的マイルドな成分・濃度で設計されていますが、処方薬はより高濃度のステロイドや、市販では手に入らない成分が含まれる場合があります。症状が重い場合は処方目薬のほうが効果的なことがあります。また、処方薬は保険適用で費用を抑えられます。

目薬は何本まで同時に使っていいですか?

複数の目薬を使う場合は、点眼間隔を5分以上空けることが推奨されます。先に点眼した薬が涙で薄まる前に次を点眼すると効果が減ります。また、目薬の種類が多い場合は眼科で相談してから使うことをお勧めします。水性目薬と懸濁性目薬を使う場合は、水性を先に点眼します。

参考文献・出典

  1. アレルギー性結膜炎診療ガイドライン(第3版) - 日本眼科学会
  2. 花粉症の正しい知識と治療・セルフケア - 厚生労働省
  3. 医薬品・医療機器の承認情報 - PMDA(医薬品医療機器総合機構)

この記事を書いた人

花粉症ラボ編集部

花粉症対策の情報を科学的根拠に基づいて発信しています。花粉症に悩むすべての方が快適に過ごせるよう、最新の対策情報をお届けします。