花粉症対策というと、マスクや薬、空気清浄機などを思い浮かべがちです。しかし、日常のちょっとした食習慣や生活習慣が無意識のうちに症状を悪化させていることもあります。
せっかく薬を飲んでいるのに効きが悪い、年々症状がひどくなっている気がする——そんな方は、知らず知らずのうちにやってしまっているNG行動があるかもしれません。
この記事では、花粉症を悪化させるNG食品・生活習慣5つを、そのメカニズムとともに解説します。代替案も紹介するので、できるものから取り入れてみてください。
NG①:アルコールの摂取
アルコールは花粉症の大敵です。「お酒を飲んだ翌日は鼻がひどい」と感じている方も多いでしょう。
なぜ悪化するのか
アルコールが体内で分解される過程で生成されるアセトアルデヒドという物質が、マスト細胞(肥満細胞)からのヒスタミン放出を促進します。ヒスタミンはくしゃみ・鼻水・目のかゆみを引き起こす主要な化学物質なので、症状が強まるわけです。
また、アルコール自体が血管を拡張させるため、鼻粘膜が腫れやすくなり鼻づまりが悪化します。さらに赤ワインや日本酒、ビールにはヒスタミンが直接含まれているため、二重の悪影響があります。
代替案
- ノンアルコールビール・ワイン(ヒスタミン含有量が少ない)
- 炭酸水(レモン・はちみつを加えると満足感アップ)
- 甘酒(米麹由来・アルコールフリーのもの)
- ルイボスティーや緑茶
NG②:高ヒスタミン食品の大量摂取
アルコール以外にも、ヒスタミンを多く含む食品や、体内でヒスタミンを増やしやすい食品があります。
なぜ悪化するのか
花粉症シーズン中はすでに体内のヒスタミン量が増加している状態です。ここにさらにヒスタミンを多く含む食品を摂ると、閾値(限界量)を超えてアレルギー症状が急激に悪化することがあります。
ヒスタミンを多く含む食品(摂りすぎ注意)
- 発酵・熟成食品:チーズ(特にハードタイプ)、ハム・サラミ・ソーセージ
- 魚介類:サバ・マグロ・アンチョビ(特に鮮度が落ちたもの)
- トマト製品:ケチャップ、トマトソース
- ほうれん草・なす・アボカド
ヒスタミン放出を促す食品(過剰摂取を避ける)
- チョコレート・ポテトチップスなどの加工スナック
- 柑橘類・いちご(多量摂取の場合)
代替案
ヒスタミンが多い食品を完全に避ける必要はありませんが、花粉ピーク時期に一食で大量に食べないことが大切です。日本の新鮮な魚介類(購入当日に食べるもの)は、鮮度が高ければヒスタミン量は少なく安全です。
NG③:喫煙・受動喫煙
たばこの煙は花粉症をはじめとするアレルギー疾患を明確に悪化させます。
なぜ悪化するのか
たばこの煙に含まれる**有害物質(ニコチン・タール・一酸化炭素など)**は鼻や気道の粘膜を直接傷つけます。傷ついた粘膜は花粉アレルゲンが侵入しやすくなり、症状が悪化します。
また、喫煙は気道の線毛(異物を排出するための毛のような組織)の機能を低下させるため、花粉が気道に留まりやすくなります。さらに、喫煙者は免疫系に慢性的な炎症状態が生じており、アレルギー反応も起きやすい体質になります。
受動喫煙(他人のたばこの煙を吸い込む)でも同様の影響が出ることが、多くの研究で確認されています。
代替案
花粉シーズン中だけでも禁煙・受動喫煙の回避を試みることが効果的です。禁煙後は粘膜の状態が改善されるため、症状が軽減することが多く報告されています。職場や外食先での喫煙エリアには近づかないようにしましょう。
NG④:慢性的なストレスと睡眠不足
生活習慣の中でも意外と見落とされがちなのが、ストレスと睡眠不足です。
なぜ悪化するのか
ストレスを受けると、副腎皮質からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。コルチゾールは短期的には抗炎症作用がありますが、慢性的なストレスでは免疫バランスが乱れ、Th2細胞が優位になってアレルギー反応が起きやすくなります。
睡眠不足も同様のメカニズムで免疫調節を乱します。睡眠中は免疫の修復・調整が行われるため、睡眠が不足すると免疫機能が低下し、花粉への反応が強くなります。また、鼻づまりで眠れない→睡眠不足になる→症状が悪化する、という悪循環に陥りやすいのも花粉症の特徴です。
代替案
- 深呼吸・ヨガ・瞑想でストレスを解消する
- 7〜8時間の睡眠を確保する
- 就寝前の入浴(38〜40℃のぬるめ湯に10〜15分)でリラックス
- 症状がひどい夜は医師に処方してもらった鼻炎薬を活用する
NG⑤:超加工食品・高脂肪食の過剰摂取
コンビニ食・ファストフード・スナック菓子中心の食生活は、腸内環境を乱し花粉症を悪化させます。
なぜ悪化するのか
超加工食品には食品添加物・人工甘味料・精製糖・トランス脂肪酸が多く含まれています。これらは腸内の悪玉菌を増やし、善玉菌を減らすため、腸内環境が悪化します。免疫細胞の70%は腸に存在するため、腸内環境の悪化は直接、免疫バランスの乱れにつながります。
また、飽和脂肪酸を多く含む高脂肪食(揚げ物の食べすぎなど)はオメガ6脂肪酸を増加させ、炎症を促進する方向に働きます。アレルギー反応による炎症がさらに強まりやすくなります。
代替案
毎食を完璧にする必要はありません。まず週に1〜2回、コンビニ食や外食を自炊に置き換えるところから始めてみましょう。
特に以下の置き換えが効果的です:
- スナック菓子 → ナッツ類(アーモンド・くるみ)
- 市販のドレッシング → えごま油+レモン汁+塩のシンプルドレッシング
- カップ麺 → 具材たっぷりのみそ汁+ご飯
花粉症に効く食べ物の記事で紹介している食材を積極的に取り入れることで、自然と加工食品の摂取が減っていきます。
まとめ|花粉症を悪化させる5つのNG
| NG習慣 | 主なメカニズム | 代替案 |
|---|---|---|
| アルコール | ヒスタミン放出促進 | ノンアルコール飲料・水 |
| 高ヒスタミン食品 | 体内ヒスタミン量の増加 | 新鮮な食材・控えめな量 |
| 喫煙・受動喫煙 | 粘膜ダメージ・免疫低下 | 禁煙・喫煙場所を避ける |
| ストレス・睡眠不足 | 免疫バランスの乱れ | 睡眠確保・リラックス習慣 |
| 超加工食品過多 | 腸内環境の悪化 | 自炊・発酵食品・野菜中心 |
これらのNG習慣を少しずつ改善するだけで、薬の効きが良くなったり、症状が和らいだりすることが実感できるでしょう。特に、花粉シーズン前から意識して始めることが大切です。
外出時の対策としてマスクの正しい選び方や花粉ブロックスプレーの使い方もあわせてご確認ください。
花粉症ラボ編集部より:本記事は一般的な健康情報として提供しています。症状が重い場合は、自己判断せずに医師・薬剤師にご相談ください。
